3日で京劇役者になろう!
3/12~14 京劇ワークショップ開催!


これまで数多くのワークショップを実施してきた李墨先生と張春祥が
好評にお応えして、千歳烏山で京劇ワークショップを開催いたします。

3日の講習を通して実際の舞台で演じられる京劇の一節を完成させてみようとおもいます。
5月公演の演目『安天会』を先取りして習ってみましょう!!

☆好評のうちに終了いたしました☆

京劇ワークショップ1日目の模様
京劇ワークショップ2日目の模様
京劇ワークショップ3日目の模様
京劇発表会の模様
李墨先生のコメント 「古典の力」

李墨先生と張春祥
<李墨先生と張春祥>

☆衣装、メイクつき発表会あり☆

3日で京劇役者になろう!
京劇ワークショップ


[日時]
2009年
3月12日(木)・13日(金)・14日(土)
19:00~21:00

[講師]
李墨(GCOE早稲田客員講師・文学博士)
張春祥(新潮劇院主宰)

[会場]
烏山区民センター 集会室

[内容]
京劇作品「安天会」から南天門の一節
趟馬(馬に乗る基本動作)

[受講料]
一般:3,000円/1回 7,000円/3回通し券
学割:2,000円/1回 4,000円/3回通し券

ワークショップの模様
ワークショップ集合写真
京劇ワークショップ 前回受講者の声
Sさん 「京劇は見ていると難しくて自分でできるとは思ってもみませんでした。でも少しできたので自分でも驚きました」
Kさん 「京劇の雰囲気が大好きです。衣装が着られたので感激しました。」
Iさん 「とても奥深い芸術だと思います。見るだけでなく自分でやってみてもっともっと知りたくなりました。」
Eさん 「本物の役者に本物の衣装。こんな機会はめったにないです。ありがとうございました。」
京劇ワークショップ1日目
京劇の説明をする李墨先生
李墨さんより、京劇の歴史や背景などの説明。

日本の伝統芸能を引き合いに出したり

アメリカでの京劇ワークショップ事情についての

お話を交えたりなど、

ワールドワイドな解説でした!
京劇指導 孫悟空 今回みなさんにやっていただく演目

「南天門」のシーンを、講師二人が実演したら

早速、二手に分かれて指導開始!

張春祥チームは「孫悟空」役。

張春祥の軽快な動きに

みなさん、見よう見まねでついていきます。
京劇指導 趙天君
李墨さんチームは、隈取の「趙天君」役。

一人一人への丁寧な指導は

李墨さんならでは。

京劇の所作の意味などについても説明していきます。
京劇指導 全体 前半部分の段取りを覚えた後は、

二人組で実演を行いました。

みなさん初めてなのに

とてもすばらしい演技でした。

最終日の発表が今から楽しみです☆
京劇ワークショップ2日目
京劇の基本技指導
早く稽古場に到着した人たちに

早速、張春祥が

京劇の基礎訓練を教えていました。

始まる前からやる気全開です!
巨霊神のメイク
さらには李墨さんが

巨霊神役の方にメイクをほどこしていました。

目の部分に口のメイクがあるので、

普段はあまり目を開けず、

しゃべるときに目を見開くそうです。
京劇衣装の着付け
今日は京劇の衣装をつけてみました。

本来の「孫悟空」「趙天君」とは

違う色や形の衣装ですが

始めての着付けに、皆さん興味津々でした。
京劇指導 趙天君と巨霊神

李墨さん指導の「趙天君」チームです。

これだけの人数が鎧を着て動き回るのは

見ているだけで圧巻です。

普段は見ることのできない

稽古用の刺繍のない鎧もあります。
京劇指導 孫悟空チーム
こちらは、張春祥指導の「孫悟空」チーム。

孫悟空の持つ袋の振り回し方なども

だんだん大胆でキレイになってきました。

帯を蹴る技の練習などもしました。
衣装を着ての京劇実演 最後には三人組みで、シーン全体を実演。

2日間の稽古に、衣装の効果もあって、

さらに京劇の雰囲気が出てきました。

明日はメイクもしていく予定です。

仕上がりが楽しみですね♪
京劇ワークショップ3日目
京劇メイク 巨霊神

みなさん、本物の京劇メイク&衣装で

発表を行いたいということで、

予定よりだいぶ早い時間からスタート。

来た人から順次メイクを施していきます。

写真は「巨霊神」のメイクですが、

昨日とは違うパターンのようです。

京劇メイク 孫悟空
張春祥による「孫悟空」のメイク模様。

この後、数名分の孫悟空メイクを

順番にしていきました。

京劇はメイクだけでもかなりの時間を要します。
京劇メイク 趙天君

李墨さんは、「趙天君」メイクをしていきます。

李墨さんのメイクは

張春祥がいつも絶賛するほど

見事な出来栄えです。
京劇発表 巨霊神と趙天君
メイクと着付けが終わったら

早速、京劇の実演開始!

みなさん、2日かけて習った動きを

一生懸命に演じていきます。

衣装も本番用の本物です!!
京劇発表 孫悟空1 京劇発表 孫悟空2
人それぞれに特徴のある

すてきな孫悟空が登場。

みなさん楽しみながら

お芝居をしていました。
京劇発表 着替え中
一組の京劇実演が終了したら

衣装を次の人にチェンジ!!

孫悟空の着替えを手伝うのも

やはり孫悟空たちです(笑)
京劇発表 着替え中

締めくくりは、みんなで一緒に京劇実演。

講師の2人もとても楽しそうに

最後の上演をしていました☆

↓発表会の模様(クリックで拡大します)↓


京劇発表会 先生たちと 京劇発表会 巨霊神と趙天君(1) 京劇発表会 見守る両講師
京劇発表会 みんなで実演(1) 京劇発表会 巨霊神と趙天君(2) 京劇発表会 孫悟空
京劇発表会 張春祥もノリノリです♪ 京劇発表会 みんなで実演(2)

古典の力
――京劇ワークショップを終えて――


文学博士 李墨  

 3月12日より14日まで、三日間をかけて張春祥氏(新潮劇院主催)とともに京劇ワークショップを行いました。演技術の一般、または紋切り型の演劇史などを教えることではなく、具体的な演目に加えて演劇史に即した講義は、主催者である春祥氏と筆者が長く暖めていた企画でありました。

 世阿弥の「秘すれば花」(『風姿花伝』)という言葉があるように、元来古典と呼ばれる演劇には、芸をある種の秘密として捉える考え方がありました。この秘密主義は近現代文明が未だに到来しない古代・近世において演劇の魅力・生命力を成す部分でもありました。 一方、近現代以後は目まぐるしい社会状況の変化によって、古典演劇が秘密にしていた部分は観客にとって神秘的なもの、奥ゆかしいものではなく、分かりにくいものへと変化します。それによって、古典と現代との間に乖離が生じてきます。

 このたびのワークショップは京劇の古典演目を実際に学んでいただくことによって、中国の代表的な古典演劇である京劇の内側に秘められている魅力・古典の力をじかに感じていただくことを趣旨としています。

 これまで、新潮劇院主催の春祥氏は長年にわたって、日本人の弟子に京劇の様々な技法、約束事を伝授してきた実績があり、外国における京劇の啓蒙を努めてきました。春祥氏が培われたこれらの礎を受け、五月公演に関連するワークショップを開催し、古典演目の白眉となる『安天会』の「南天門」の一場を受講生の皆さんと三日間にかけて稽古し、実演並みの形まで完成させました。わずか数分間の場面ではありますが、短い場面の中に様式的な演技、歌と振りが入れ混ぜた演技、セリフのやり取りなど、数百年、いく世代の名優が心血を打ち込んだ演技が秘められています。

 日ごろ春祥氏の啓蒙活動の功を奏して、最終日の衣装付けた通し稽古は緊張感と高揚感、そして達成感が開催会場に漂い、受講生の演技からはいずれも充実なものを感じました。三日間を通して講師陣と受講者双方が古典に秘められた「花」(魅力)を再認識したのでありました。

京劇ワークショップ集合写真