2013年　クリスマス京劇公演～林冲夜奔・覇王別姫～

日本でも有名な歴史小説「水滸伝」の一節。
天雄星の生まれ変わりで「豹子頭（ひょうしとう）」の
あだ名を持つ「林冲（りんちゅう）」は、
かつては政府軍の教頭でしたが
奸臣「高俅（こうきゅう）」の計略により
国から追われる立場となってしまいます。
「林冲」が追手から逃れるために夜道を
ひっそりと駆け抜けて行く様を描きます。

「戯曲学校では必ず最初に教える」というくらいに、
京劇の基本様式が盛り込まれた演目ですが、
一方で「男怕夜奔，女怕思凡」（男は夜奔をおそれ、
女は思凡をおそれる）」といわれるほど難易度の高い
演目でもあります。ほぼ全編が「走辺（ゾウビェン）」と
呼ばれる単独舞踏と唱で構成されています。

武生（ウーション・男の立ち回り役）として
熟練の域に達した劇団主宰・張春祥が
持てる技量を余すところなく披露致します。

中国を統一した秦の始皇帝が亡くなった後、
覇権を争った二人の英雄「項羽」と「劉邦」。
覇王・項羽は戦場では無敗を誇る勇将でし
たが、謀略や情報戦で劉邦側に負け、
とうとう垓下（がいか）の地で包囲されます。
最期が近いことを知った「項羽」は軍営の中で
妃である「虞姫」と別れの杯を交わします。
『四面楚歌』の故事で有名な場面です。

京劇を代表する女形の名優「梅蘭芳」のために
描き下ろされた戯曲で、チェン・カイコー監督の
映画「さらば、わが愛/覇王別姫」でも題材と
された名演目です。全体を通して流れる悲哀、
そして「虞姫」の見事な剣舞から続く
クライマックスは、古今に渡って観客の心を
捉えて離しません。

この名演目を刀馬旦（女の文武両役）を
専門にする張桂琴と、中国京劇院出身の
名優・殷秋瑞でお届します。

軽妙なトークで毎回好評をいただいております
京劇研究の第一人者、 明治大学教授・加藤徹先生による
京劇レクチャーです。

京劇観賞がはじめての方から、常連のお客様まで
楽しく京劇の知識が身に付くこと請け合いです。

今回はクリスマス公演ということで
新潮劇院より特別クリスマスプレゼント！
無料での京劇ワークショップを開催致します。

劇団主宰の張春祥と、公演で司会を務める張烏梅が
京劇の歴史や様式について解説する
初めて京劇を観賞する方におすすめの
座学でのワークショップです。

予約制となっておりますので、お申込みはお早めに！